シリコンがまぐち“POCHI”開発秘話
シリコン雑貨ブランドp+g designは、日本だけでなく世界中に広がりつつあります。世界初となったシリコン製がまぐち“POCHI(ポチ)”は、株式会社ピージーデザイン(旧社名:株式会社GMCトイズフィールド)が企画・開発・発売をしたものです。改めて企画から開発までのエピソードをご紹介します。
シリコンがまぐちを思いついたきっかけ10年ほど前、雑貨店で売り場を華やかに彩っていたシリコン製のキッチングッズ。発色もよく、耐水性、耐熱耐冷性にも優れたシリコン素材は、当時目新しく、多くの人がその素材に注目していました。2008年6月に開催された"シリコン製雑貨"というテーマの社内企画会で、シリコンがまぐちが発案されました。 |
シリコンがまぐちを作る
シリコンがまぐちは企画会参加者全員からの支持を得て、商品化に向けた開発をスタートしました。シリコンでがまぐちを作ることを思いついたのは、がまぐちの可愛らしさ、使いやすさ、魅力に改めて気づいたこと。専門店があるほど『がまぐち好き』な女性も多く、人気が出ること間違いないと確信。頭の中に浮かんだシリコン製のがまぐちはとてもかわいく、何よりも、自分自身が欲しい!と強く思った案でした。
商品化に向け、サイズや形状などを決めて試作へ。頭の中に具体的なイメージがあるものの、それを実現させるのは、なかなか難しいことでした。
▲記念すべき初回サンプル
出来上がった記念すべき初回試作品は、金具などは入っておらず、留め具は機能しません。「がまぐち」と呼べるようなものではなく、イメージとは程遠いものでした。まずは、シリコンがまぐちのイメージに近づけるため、この試作品に改良を加えていくことになります。
▲2ndサンプル
次の試作品は、強引にワイヤーを埋め込んで成型してもらいました。かろうじて閉じることができましたが、がまぐちとして使うことはできず、見た目的にも可愛くありませんでした。ですが、金具を入れることは可能ということが分かり、更に改良。
▲3rdサンプル
金型を変更し、オリジナルの口金を埋め込むことに成功!以前のサンプルに比べると、かなりがまぐちらしくなりました。しかし、開いた状態で成型したものを強引に閉じているため、口を閉じると歪みが生じてひしゃげてしまう問題が・・・。
▲4thサンプル(ピンク)と5thサンプル(ブラック) |
口を閉じた状態でも、ぷっくりとしたかわいい形状を維持させたい。イメージに近づける為、まだまだ可愛くなる可能性を信じ、あきらめることなく開発を続行します。閉じた時に歪みが生じにくいように、金型割も変えました。ひしゃげる問題はかなり改善され、5回目のサンプルでようやくほぼPOCHIの形になりました。開発スタートから形状完成までは約1年ほどかかり、試作型は4回作り興しました。参考になる商品がない中、協力工場の尽力もあって、こうしてシリコンがまぐちPOCHIを作り上げました。 お蔭様で現在では日本国内の多くの雑貨店・専門店だけでなく、ニューヨークのMoMA Design storeをはじめとする世界的に有名なミュージアムショップなど、世界中の店舗でお取り扱いいただくまでになりました。 |
GOOD DESIGN 2013・2014 受賞
9色展開のがまぐちPOCHIシリーズは【シリコン素材の良さを活かした、ポップなカラーとユニークな触感が楽しい。開け閉めの良さや汚れにくさなど、使い方を配慮したデザインに好感が持てる楽しいプロダクトである】と講評をいただき、2013年・2014年とグッドデザインを受賞しました。これからも、皆様からより愛される商品・ブランドを目指していきます。 |